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【最新版】注文住宅の相場・費用別の施工事例&費用を抑える間取りアイディア大公開!

公開日 2023.06.16
更新日 2023.07.06
住宅建築家づくりの流れ間取り・デザイン

注文住宅を建てるのに必要な費用は、一体いくらになるのでしょう?さらに、家づくりで重要な「予算計画」において注意すべきこと、予算ごとに実現できるプラン、費用を抑える間取りアイディアまで。この記事では、注文住宅の費用に関する内容をまとめてご紹介します。

この記事のポイント
注文住宅にかかる費用の相場は年々上昇し続けている

相場:全国平均 3,572万円(土地ありの場合は 4,455万円)

事前に家のどこにこだわるかを決めることが、予算割では重要

立地の良い場所を選ぶのか、デザイン性を重視するのかで予算割は大きく変わります。
また注文住宅の最大のメリットは自由度の高さであり、費用を抑えた間取りのアイディア等を取り入れることで、理想を叶える方法もあります

目次

1.注文住宅にかかる費用とその内訳

注文住宅には一体いくらかかるのか?住宅金融公庫が住宅ローン「フラット35」申込者に対して行った調査(2021年度「フラット35利用者調査」)によると、注文住宅にかかる費用は全国平均で3,572万円。さらに土地購入ありの場合だけに絞ると4,455万円。その費用は8年連続(土地購入ありでは9年連続)で上昇し続けています

上昇し続けて

では、費用にはどのようなものがあるのか、その内訳とそれぞれの相場もみていきましょう。注文住宅に必要な費用は大きく「土地に関する費用」「建築費用」「諸費用」の3つに分かれます。。

1)土地に関する費用

すでに土地を所有している場合には、土地購入費用はかかりません。しかし、平成12年より住宅建築に適した地盤であるかを建築前に調査することが義務付けられ、「購入した土地」「すでに所持している土地」どちらの場合も地盤調査費用が発生します(すでに住宅があり、建て替えとなる場合にも調査は必要)。さらに、調査の結果によって地盤が弱いと判断されれば地盤改良工事の費用も発生します。

下記の図は横にフリックして全体を見ることができます
相場
土地購入費用
(土地購入にかかる費用)
土地のサイズや立地、地域によっても大きく異なる
※すでに土地をお持ちの方は不要
土地購入ついて詳しくはこちら
その土地大丈夫?
決める前に後悔しない土地選びの見極めポイント
地盤調査費用
(住宅建築に適した地盤か
調査する費用)
・スウェーデン式サウンディング試験:5〜10万円程度
・ボーリング調査:25〜30万円程度
※平成12年の建築基準法改正に伴い義務化
地盤調査について詳しくはこちら
【地盤調査】どんな事をするの?
何が分かるの?地盤調査の疑問を解決します
地盤改良工事費用
(地盤調査にて軟弱地盤と判断
された場合に必要な費用)
50〜200万円程度
※土地の状況により上記よりさらにかかる場合もある
【地盤改良とは】地盤改良前に知るべき!
その注意点と体験談

※上記に記載している費用はあくまで目安です。

2)建築費用

住宅の規模や構造はもちろん、依頼する住宅建設会社や設備のグレードによっても大きく異なります。下記は、令和3年度の国土交通省の調査結果からみた1坪あたりの建築費用の全国平均値です。

相場
坪単価 木造:56.9万円/坪
※すでに土地をお持ちの方は不要
鉄骨造:84.2万円/坪
RC(鉄筋コンクリート)造:87.2万円/坪

国土交通省-建築着工統計調査(令和3年度)全国/居住専用住宅/工事費予定額より算出。

上記の坪単価で計算すると、例えば30坪の木造住宅での場合、建築費の平均は1,707万円となります。しかし現在、資材高騰の影響からさらに値上がりすることが予想されているため、予算は余裕を持って計画を立てておきましょう。

3)諸費用

一般的に諸費用の相場は土地購入費+建築費の10〜12%程度といわれています。土地購入や建築内容が確定してから費用が確定されるものが多く、支払うタイミングも異なるため、予算計画を立てる際には注意が必要です。

【主な諸費用】

  • 土地購入時の不動産手数料
  • 住宅ローンを組む際の手数料や保証料
  • 火災保険料
  • 税金(印紙税・不動産所得税・登録免許税など)
  • 引越し費用 など

注文住宅購入にかかる費用全体について説明しましたが、次はその中の一つ「建築費用」について詳しくみていきます。資金計画や購入の流れについて詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください。
住宅購入にかかる期間とお金について。注文住宅の流れに沿って詳しく解説します

2.建築費用ごとのプラン特徴&施工事例

建築費用は土地購入費用とは違い、予算に合わせて調整することができる費用です。予算ごとにどのようなプランが実現できるのか、実際の施工事例と合わせてみていきましょう。

1,000万円台の場合

延べ床面積30坪以下となることが多く住宅規模は限られてきます。1,000万円前半であれば、建築費用の相場より低い予算となるため、設備のグレードを落とし、できる限りシンプルな構造、長方形や正方形などのシンプルな形状にする必要があります。とはいえ、1,000万円後半になると、シンプルな構造でもある程度希望を踏まえた家づくりができるでしょう。また、現在「ローコスト住宅」を提案する住宅建設会社も増えています。

施工事例

画像引用元:CASE705 evergreen-フリーダムアーキテクツ

1,000万円台のシンプルな外観の住宅。正面には窓を設置せず、サイドの連窓からリビングへと光が差し込む設計に。また、木の葉が揺れる音や影の変化を感じられるよう、コストを抑えながらもこだわりの詰まった造りになっています。

家づくりの豆知識 〜ローコスト住宅とは〜

最近よく耳にする「ローコスト住宅」。その名の通り、価格を抑えた住宅のことで、一般的に坪単価30〜50万円程度といわれています。しかし、安いからと言って品質が極端に落ちるというものではありません

コストを抑えられる秘密は?
ローコスト住宅では、フルオーダーではなく、シンプルな構造・形状の住宅プランがすでに用意され、そこから希望に合うものを選択します。そうすることで、現場の作業効率は上がり、取り扱う設備や建材も絞られるため、大量に仕入れてコストを抑えることができるのです。さらに、全国ネットのCMやモデルハウスなどの広告宣伝費用も抑え、その分を建築費用に還元しています。

2,000万円台の場合

延べ床面積35坪くらいが可能となり、建材や部材についても部分的にこだわった素材を選ベるようになります。2,000万円台後半になると、家づくりにおける優先順位を決め予算配分をしっかり行えば、希望の家づくりを実現できる価格帯となってきます。

施工事例

画像引用元:ろくしょうの家-エムズ

2,000万円台後半のこちらの住宅は、玄関からLDKへの入口を2か所設けるなど、家事動線を意識したアイディアが満載。さらに、リビングと2Fの書斎を畳にし、庭は外から見えないようにするなど、家族がくつろげる工夫やこだわりがいっぱいです。

3,000万円台の場合

希望の素材や設備を取り入れられる価格帯です。3,000万円後半になると設備のグレードアップや住宅サイズを大きくすることも可能。さらに、設備費用が2倍かかってしまう玄関やキッチンを完全に分けた二世帯住宅であっても、実現しやすい価格となるでしょう。

施工事例

画像引用元:CASE677 中庭が繋ぐ家族の気配-フリーダムアーキテクツ

こちらは上下階で住戸を分けた二世帯住宅です。1階には中央に中庭を設け、角地でありながら外からの視線を気にせずくつろげます。さらに、窓の配置にこだわり2階には広めのテラスを設けるなど、それぞれの家族の空間、2つの家族の繋がりを楽しめる造りとなっています。

4,000万円台の場合

建築費だけでこの価格帯であれば、さまざまな希望を実現できます。建材だけでなく住宅設備にもこだわり、高品質高性能なハイグレード住宅が可能です。

施工事例

画像引用元:CASE301 ガレージハウス-フリーダムアーキテクツ

リビングから見渡せるガレージハウスには、車3台+バイク1台を置ける贅沢な住宅。ガレージとリビングの間に中庭を配置し、閑静な住宅街の中にあってもプライベート空間を楽しめ、室内には自然光が十分に降り注ぎます。

建築費用に一体いくら用意できるか?それを判断をするには「土地に関わる費用」と「諸費用」とのバランスを事前に考えておかなければなりません。

3.予算割りの考え方(資金計画についての注意点)

予算を考える際、「家づくりで何を優先させるか」によって注意すべき点が変わってきます。ここでは下記の3つの視点からご紹介していきます。予算割りで重要なことは、事前にどこにこだわるかを決めておくことです。

立地にこだわる場合

通勤・通学のアクセスや病院・スーパーの近くなど、日々の生活において立地はとても重要です。しかし、立地のいい土地は高くなる傾向があり、「土地にかかる費用」を多くみておく必要があります。立地はいいのに相場よりも安い土地には、災害リスクや土地の状態などに注意しましょう。土地の状態が悪いと追加費用がかかってしまうことがあります。土地の相場や選び方について、詳しくはこちらをご覧ください。
その土地大丈夫?決める前に後悔しない土地選びの見極めポイント

住宅にこだわる場合

「快適な家を手に入れたい」「デザインや住宅性能の高い住宅にしたい」という場合は、土地購入費用を抑え、建築費を多く用意しておきましょう。上記でご紹介した建築費ごとのプランをみても3,000万円以上の用意があればさまざまな希望が叶えられます。予算に対する住宅サイズの目安、坪数ごとの間取りについて詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください。
【坪数ごとの間取り紹介】30坪・40坪・50坪以上の機能的でおしゃれな間取りを紹介します!

とにかく費用を抑えたい場合

注文住宅を建てたいが、できる限り予算を抑えたい場合には、先でも述べたようにシンプルな構造と形状、住宅設備のグレードも抑える必要があります。さらに、下記の点にも注意しておきましょう。

下記の図は横にフリックして全体を見ることができます
土地購入について
地盤の弱い土地以外にも、段差のある土地、傾いている土地など、土地を整えるための
工事費用がかかる土地があります。
購入前に土地に関する工事や費用について、住宅建築会社に事前に相談&確認して
おきましょう。
その他、土地選びで注意すべき点について詳しくはこちらをご覧ください。
その土地大丈夫?決める前に後悔しない土地選びの見極めポイント
建築費について
造作家具 備え付けの棚や机などはコストが上がります
実際に生活してみると不要だったという場合もあるため、できるだけ
造作家具を作らず、生活しながら必要な家具を買い足し無駄を省き
ましょう。
屋根の形状や窓の数 おすすめの屋根の形状は、切妻(きりづま)か片流れ
シンプルな形状でコストを抑えられます。
また、窓の数を抑える、大きな窓にしないことでも施工費や材料費を
抑えられます。
※住宅においてそれぞれ重要な役割を担っており、建築基準法に
沿った対応が必要なため、住宅建設会社と相談しながら適切に
判断する必要があります。
収納スペース 収納スペースを複数つくるよりも、一つにまとめることで工費を抑える
ことが出来ます
和室 洋室に比べ資材が高く、畳や障子などメンテナンス費用もかかります
そのため、どうしても必要な場合でない限りは和室は作らない方が
良いでしょう

「土地購入費」と「建築費」を抑えることで、自ずと「諸費用」は抑えられます。さらに、建築費用は上記の他に「間取りの工夫」でも抑えることが可能です。

4.費用を抑える間取りアイディア

コストを抑えながらも、おしゃれで快適な3つの間取りアイディアをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

1)壁やドアでの仕切りを減らす

壁やドアでの仕切りを減らすこともコストダウンに繋がります。仕切りがない分圧迫感なく開放的な印象を与え、お気に入りのインテリアを組み合わせると、「見せる収納」でコストを抑えながらおしゃれに仕上げることができます。また、扉が必要な場所でも「引き戸」ではなく「ドア」にしておくと費用が抑えられます。

2)水まわり設備を集中させる

トイレやお風呂場、キッチンなどの水まわりを同じ階や近い場所にまとめて配置することで、配管経路が短くなり、その分コストを抑えることができます。

3)屋根裏(ロフト)を取り入れる

「2階建てや3階建てを建てたいが費用が足りない」「収納スペースが足りない」そんな方におすすめなのが屋根裏の活用です。天井までの高さが1.4m以内であれば階数のカウントはされず、その分建築費用は抑えられ、スペースを十分に活用することができます。3階建て住宅費用について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
3階建て住宅を建てる方必見!メリットデメリットや建築価格を抑えるコツをご紹介

画像引用元:メープルの床材がナチュラル&柔らかな平屋の家-黒須建設

上記の他にも、注文住宅のメリットを活かし十分な収納を確保しながら、建築費用を抑える間取りアイディアがまだまだ沢山ありますので、こちらもどうぞ。
収納計画案|注文住宅だからこそできるコストカット術をご紹介

まとめ

注文住宅の相場、資金計画やコストを抑える方法などをご紹介しました。費用によっては、住宅ローンの融資実行前に現金で支払わなければならないものも多く、事前に手持ちの資金を用意する必要があります。注文住宅の流れや支払うタイミングについて詳しくは、こちらをご覧ください。
住宅購入にかかる期間とお金について。注文住宅の流れに沿って詳しく解説します

また、注文住宅には「頭金」がいくら必要なのか?頭金ごとの返済シミュレーションや賢い返済方法については、こちらも参考にどうぞ。
【注文住宅購入】頭金はいくら必要?「頭金」と「繰上げ返済」どっちが賢い選択!?

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