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ツーバイフォー工法ってどんな工法? リフォームは出来るの?メリット・デメリットを解説

公開日 2024.04.23
住宅建築

戸建住宅を検討する際、工務店やハウスメーカーによって建築時の工法もいろいろ。その中で今回はツーバイフォー工法にスポットをあて詳しく解説していきます。

この記事のポイント
  • ツーバイフォーは耐震性・耐風性・耐火性に優れている
  • ツーバイフォー住宅のリフォームも、構造上のルールや制約を理解すれば安心して行える
    (あらかじめリフォーム対応ができる工務店を調べておくとよいでしょう。)

目次

ツーバイフォー工法の特徴

建築基準法の中で木造住宅の工法は大きく「木造枠組壁工法」(以下枠組壁工法)と「木造軸組工法(在来工法)」に分かれます。ツーバイフォー工法はこの「枠組壁工法」に属します。

枠組壁工法(ツーバイフォー工法)

枠組壁工法はあらかじめ決められた規格の角材と構造用合板を接合したパネルを作り、 それらのパネルを組み合わせて壁、床、天井と六面体の構造空間を作り上げていく工法です。始まりは北アメリカで当時熟練の職人がいない中で強固な住宅を建築しようと広まった手法です。また、枠組壁工法で建てる家は構造の特性上、耐震・耐風・耐火性が強いためその後のアメリカで標準的な木造住宅の工法となっていったのです。

木造枠組壁工法(ツーバージョー工法)の仕組み

木造枠組壁工法(ツーバージョー工法)の仕組み

ツーバイフォーで使用される規格材

枠組壁工法で使用する規格材は2×4以外にもいろいろなサイズがあります。
サイズや長さを表す単位はアメリカ発祥のため規格材の断面サイズはインチ、長さはフィートで表します。

次に木造軸組工法も見てみましょう。

木造軸組工法(在来工法)

木造軸組工法が日本で最もオーソドックスな手法です。ツーバイフォー工法をはじめとする枠組壁工法が、角材と合板で作られた面を組み合わせる建築方法であるのに対し、この木造軸組工法は”柱”や”梁”で家の軸を作り上げ、軸に沿って屋根や床、天井などをはっていく建築方法です。木造軸組工法では、柱や梁を組み上げ、柱の間などに”筋交い”と呼ばれる木材を斜めに入れることで建物の強度を上げています。

ツーバイフォー工法のメリット

続いて、主な4つのメリットについてご紹介していきます。

  • 耐震・耐風性能に優れている
  • 耐火性に優れている
  • 断熱材の施工がやりやすい
  • 施工期間が短い

耐震・耐風性能に優れている

床・壁・屋根が一体となった六面体構造は地震による建物にかかる負荷を建物全体で受け止めることで、建物の一部に負荷をかけることなく分散し、建物の倒壊・損傷を抑えることができます。また台風などの強い風にさらされてもツーバイフォーの屋根であれば屋根も一面構造となっているため下からの強い吹上にも屋根が持ち上げられにくい構造になります。日本ツーバイフォー協会が出している過去に起きた大きな地震による地震被害のデータを見ても、高い耐震性がわかります。
※参照:日本ツーバイフォー協会 地震関係資料「ツーバイフォー住宅強かった」

豆知識 ~住宅の耐震性と地盤の重要性~

地震が多い日本では、住宅の耐震性も重要ですが、住宅を建てる土地の地盤なども非常に重要になってきます。

地盤について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
【地盤調査】どんな事をするの?何が分かるの?地盤調査の疑問を解決します
【地盤改良とは】地盤改良前に知るべき!その注意点と体験談

耐火性に優れている

ファイヤーストップ構造

火災時に火の経路となる床や壁の枠組材などが、ファイヤーストップ材となって空気の流れを遮り、各階への延焼を防止します。
つまり、ファイヤーストップ材による床の根太、枠組み材などでできた空間の一つひとつが防火区画のような役目を果たすので、火の進行を遅くすることが出来るのです。
火災が上階や他の場所に広がるのを最小限に防ぎ、初期段階での消火の可能性を高めます。
これをファイヤーストップ構造といいます。ツーバイフォー工法の大きな特徴の1つです。

ファイヤーストップ構造

石こうボードで耐火性アップ

ツーバイフォー工法では石こうボードも火の進行を遅らせる役割を果たします。すべての天井や壁の内側全面に、厚さ12.5mm以上の石こうボードを貼ります。石こうボードの中には約21%の結晶水が含まれ、炎があたると熱分解を起こし約20分間、水蒸気を吹き出すという優れた特性があります。そのため火災発生時も、天井裏や壁の内部の温度が上昇しづらく、構造材が発火点(約450℃)に達するまでの時間を大きく遅らせることができます。また床・壁の中にに埋め込まれている断熱材も、火災時の熱が構造材に伝わりにくくし、石こうボードと一緒に木材の発火を遅らせ、これによりツーバイフォー住宅の耐火性をさらに高めています。

断熱材の施工がやりやすい

枠組と構造用合板を取り付けて1面のパネルを作るため、構造の境目が少なく気密が取りやすくなります。そこに合わせて気密に係る部材を施すことで空気の出入りの少ない家となります。また断熱材の施工も枠組の中に施工するだけなので高い技術を要することなく断熱施工ができます。

施工期間が短い

ツーバイフォーやツーバイシックスなどの規格化された部材で構成され、ある程度絞られた間取りプランを基に設計するため、プランニング期間が短く、部材の加工は工場で行い、部材を現場で組み立てて施工するので工程は多いですが工期が短いです。。

ツーバイフォー工法のデメリット

続いて、デメリットについてご紹介します。

家のデザインに制限がある

ツーバイフォー工法の技術基準は、強度を担保するために使用する構造部材だけでなく、建物を支える耐力壁や開口部などの寸法も定められているため自由な間取りが実現しづらいです。

その他にも工法のデメリットとして、結露や湿気によるカビ被害や木材の劣化などが見受けられます。これらはツーバイフォー工法に限らず木造住宅を建てる際の施工不良や適切なメンテナンスがなされなかった場合が多いです。

ツーバイフォー工法はリフォームできない!?

結論から言うとツーバイフォー住宅はリフォームができます。ではなぜリフォームが難しいと思われているのでしょうか?日本でのツーバイフォー工法は在来工法と比べて歴史が浅いです。ツーバイフォー工法の住宅設計を手がけている工務店が少なく、リフォームを経験した工務店になるとさらに少なくなります。住宅リフォームの事例の数もあまり出てこないので、リフォームをしても知ってもらえる機会がなかなか得られません。するとリフォームをする上でのルール、制約も伝わらず、いつの間にか「ツーバイフォー工法はリフォームが難しい、出来ない」というイメージが広まったのではないでしょうか。 ツーバイフォー住宅のリフォームも、構造上のルールや制約を理解すれば安心して行えます。ツーバイフォー住宅を検討される際は、あらかじめリフォーム対応ができる工務店を調べておくとよいでしょう。
※参照:日本ツーバイフォー建築協会『How To リフォームツーバイフォーvol.1』

まとめ

今回はツーバイフォー工法について解説しました。
あらかじめ決められた規格の木材を用いて、耐震・耐風性、耐火性が高い構造の住宅が建てられます。
一方で家のデザインには制限があります。
リフォームができないと思われがちですが、技術的にはリフォームができるのでちゃんと経験のある工務店を選ぶことが重要です。

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