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全館空調の価格相場はどれくらい?電気代・メンテナンス費は?各社の導入費用を徹底調査

公開日 2021.01.29
更新日 2023.07.12
エコロジーと省エネ全館空調

近年、厚生労働省が省エネ住宅の家と健康への関連性を認める内容を発表するなど、高気密・高断熱の住宅が一般化されてきました。 そこで注目を浴びているのが高気密・高断熱と相性の良い『全館空調システム』です。

『全館空調システム』とは、住宅全体の「冷暖房・換気・空気清浄」などを1台の空調設備で一括管理するシステムのことを言い、各部屋のエアコン設置不要で住宅全体の温度差を均一にすることが可能です。
一方で「導入費用が高い」「電気代が高そう」といったお金に関するお悩みも多く見受けられるため、今回は『全館空調』の価格相場やランニングコストについて調査しました。

各ハウスメーカーの『全館空調』価格・特徴についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事のポイント
  • 全館空調の維持費の内訳を表や口コミで分かりやす解説
  • 各社の全館空調の特徴を価格順に説明

目次

全館空調の価格相場

導入費用は100〜300万円ほど

下記の図は横にフリックして全体を見ることができます
価格帯レンジ メーカー名
230万~300万
  • 三菱エアリゾート
  • 三井ホーム「スマートブリーズ」
  • 積水ハウス「エアシーズン」
  • ミサワホーム「エアテリア」
130万~230万
  • 住友林業「エアドリーム ハイブリッド」
  • トヨタホーム「スマート・エアーズ」
  • アズビル 「きくばり」
130万円以下
  • YUCACOシステム研究会「YUCACOシステム」
  • Z空調
  • オンレイECO床暖システム

※40坪程度の住宅面積を前提にした費用です。
※価格帯は各社のホームページなどWEB上で確認できたものだけを掲載しています。

全館空調の導入費用については100〜300万円前後が相場と言われています。

導入費用は空調室の有無、制御システムの複雑さ、配管の複雑さなどによって差があります。 そのほか以下の付属機能が多いほど費用が高くなります。

全館空調の付属機能※メーカーにより異なる

  • 除湿機能
  • 加湿機能
  • 空気清浄・脱臭機能
  • 部屋毎の温度設定機能
  • タイマー機能
  • 10年保証

など

エアコン1台を5〜10万とした場合5台設置すると25〜50万円なので、導入費用だけでみると全館空調の方がコストがかかりますが、以下のメリットを考えると妥当な費用と言えるかもしれません。

おさらい!全館空調のメリット
  • 住宅全体の温度が均一になるため快適に過ごせる
  • 年間を通じ快適な温度で過ごせる
  • 間取り(吹き抜けや、開放的なリビングなど)が自由!
  • システム1台で管理するためメンテナンスが楽
  • 空気清浄・脱臭・加湿・除湿機能がついているケースも

また、全館空調の導入費用を35年ローンに含める場合、月額3,700〜8,000円程度アップする計算になります。(※固定金利1%で推測)

ここがポイント

全館空調は住宅建設に付帯する設備となるため、住宅ローンに含めることが出来ます。支払いを分割にすることが出来る、ということです。当然ながら住宅控除の対象にもなります
建築後に個別冷暖房器具を購入するとそれは個人の買い物になるので住宅ローンには含まれません。

電気代は月平均8,000円ほど

画像引用元:全館空調換気システムの電気代 ランニングコスト

全館空調の電気代は月平均8,000円ほどと言われています。 あくまでも電気代は目安であり、寒冷地やメーカーや坪数によって電気代は変動します。

オール電化住宅の場合は、食洗機・浴室乾燥機・24時間換気・IHなどの電気代と一緒に合算されることが多く、月15,000~16,000円ほどと言われています。

この場合、太陽光発電やエコキュートなどの自家発電システムを導入することにより、電気代を抑えることが可能です。

また、住宅自体に高い断熱性と気密性があれば、コストパフォーマンスが高くなるので電気代が抑えられる場合もあります。

実際に全館空調を導入している人の口コミは以下の通りです。

32,489円
光熱費でこんな数字初めて見た…

20日締めだけど検針日に左右されるらしいから今回は34日分でこの値段。
単純に割ってみると955円/1日
ひぇーガーン

引用元:オール電化&全館空調(もどき)の電気代がやっべーぞ!

全館空調を導入しました、電気代が心配でしたが、家全体の電気含めて15000円!!
安くてよかったぁーーー

引用元:Twitter

我が家、全館空調なんだけど、電気代がマンションのときの倍であることと、メンテナンスの費用を考えても、快適さが勝っているので後悔はない。

引用元:Twitter

寒冷地の場合は3万円を超える月もある書き込みも見られます。
空調メーカーによっては、不在時や夜は設定温度を下げるタイマー機能がついているので、細かい設定をすることで電気代を節約することが出来ます。24時間同じ温度設定にしていると非常に高額の電気代がかかることがあるのでご注意ください。

高気密・高断熱によって全館空調の光熱費はどれぐらい減らせるのか?詳しくはこちら

メンテナンス・点検費用は1万円〜2.5万円

全館空調は本体が故障した場合、空調設備自体が使えなくなってしまうため定期的なメンテナンスが必要です。メンテナンス代は年間1万円~2万円、フィルター交換1,500円~5,000円程度となっています

また、空調換気システム本体の耐用年数は10年程度と言われていて、耐用年数に合わせて10年保証を導入しているメーカーも多く存在します。
保証期間中は修理代金が無料ですが、期間を過ぎると高額な修理代金が必要になる場合があります。メーカーによって保証期間が異なるので事前に確認することをお勧めします。

うちも家が全館空調なのですが、今年の夏故障して修理代約30万でした
半分は部品代で、もう残りが技術代と消費税。
本当に痛い出費でした

引用元:Twitter

修理代は40~50万円と言われ、パーツを劣化具合に応じて交換するケースが多くあります。費用や時期はあくまで目安となりますが、故障した場合の費用も積み立てておく必要があります。

意外と知られていない!?全館空調は追加で建築工事代もかかる

全館空調は機器本体の費用のほかに建築工事費も発生します。
その理由は、通常の住宅には無い空調室を用意したり、断熱工事を施したり、特殊な配管を専門の施工員が建築時の作業として行う場合があるためです。
メーカーによってその施工方法も建築費用も大きく異なるので、事前に調べることをお勧めします。

どのメーカーも導入費用込みで費用提示していますので、高いと感じる場合には施工がシンプルで高機能なメーカーを選ぶようにしましょう。

35坪の一般住宅に全館空調システムを導入した場合の内訳としては、全館空調設備工事と建築工事をあわせて200〜250万円近くと言われています。
大きな家で部屋数も多くなれば設置工事費用は300万円以上することもあります。

全館空調メーカー一覧(価格帯順)

ここまで全館空調にかかる主な費用について見てきました。
次に全館空調を扱っているメーカーを導入価格帯の低い順からまとめましたので、ぜひご参考になさってください。

※40坪程度の住宅面積を前提にした価格です。

※坪数、部屋数によって価格は異なります。

『ECO床暖システム』(〜130万円)

株式会社オンレイが提供する『ECO床暖』は、住宅の床下空間を活用した全館空調システムです。
冷暖房機能によって24時間365日快適に過ごせるシステムであることは他のメーカーと変わりありませんが、施工時の大きな特徴として、必要なダクトが事前にカットされ現場に納品されるため、工事が簡単で、特殊施工員も不要なため、工事期間が短く施工費が安いというメリットがあります。
また、時間や曜日ごとに設定温度の予約ができるため節電対策も可能。
オプションとして、室内中を脱臭・除菌及び強力な花粉を除去して空気を守る、除菌脱臭換気システム「イオンクラスター」を付けることもできます。

ヒノキヤグループ『Z空調』(〜130万円)

Z空調』はヒノキヤグループ(桧家住宅、パパまるハウス、レスコハウス)が取り扱う全館空調システムです。
テレビCMでも大々的にアピールしているのでご存知の方も多いのではないでしょうか。
エアコンの能力(馬力)を通常10KW以上使う全館空調が多い中、『Z空調』は5KW程度に抑えているため、一般的な全館空調システムと比較すると価格が安いと言えます。

YUCACOシステム研究会『YUCACO』(〜130万円)

YUCACO』は、空調室に配置したルームエアコン1台で家中の温度を調整するタイプの全館空調システムです。
断熱・気密性を高めることでエネルギーの損失を極力下げて、エアコン1台の能力でも十分に家中冷暖房が出来るようにしているため、家電量販店でも販売しているルームエアコンを1台設置します。(坪数の大きな住宅は2台になる場合もあります。)

住友林業アズビル『エアドリームハイブリッド』(195~230万円)

エアドリームハイブリッド』は他社の全館空調システムと比較した時に目立った特徴はありませんが、導入費用も標準的な価格なので、住友林業で家を建てる方は予算的に問題がなければ導入を検討してみてはいかがでしょうか。

積水ハウス『エアシーズン』(200~300万円)

東芝製の『エアシーズン』は、自動給水の加湿機能付きなので乾燥しがちな全館空調ですが、いちいち水を入れる必要がありません。

住友不動産『きくばり』(230〜250万円)

アズビル製の全館空調システム『きくばり』は、自動運転できるスケジュールタイマーや温調OFF、室内の温度を感知して自動で温度を制御するインバータ機等によって省エネ運転ができるため、電気代を抑える効果が期待できます。

トヨタホーム『スマート・エアーズ』(230~250万円)

2015年度グッドデザイン賞を受賞している『スマートエアーズ』は、株式会社デンソーの自動車技術を応用して作られたトヨタホームオリジナルの全館空調システムです。
HEMS(家庭で使うエネルギーを節約するための管理システム)と連携させる事によって、外出先からでもスマホ経由で操作が可能です。

三井ホーム『スマート・ブリーズ』(230~250万円)

三井ホームの全館空調『スマート・ブリーズ』は、タイプ別に3種類に分かれます。 機能やコストによって選べるのが特徴です。

  • 『スマートブリーズ・エース』:40坪以上の住宅にお勧め。
  • 『スマートブリーズ・プラス』:40坪以上の住宅にお勧め。エースの基本機能プラス脱臭機能が付いています。
  • 『スマートブリーズ・ワン』:40坪以下の住宅にお勧め。

※価格帯はエース、プラスを参考にしています。

ミサワホーム『エアテリア』(250~300万円)

ミサワホームの『エアテリア』はデンソー製の全館空調システムです。
脱臭機能が付いているため、部屋干し時に匂いが服に移るのが気になる方には最適です。ただし、トイレや浴室には吹き出し口が付けられないので注意が必要です。

三菱『エアリゾート』(250~300万円)

エアリゾート』は各部屋・各ゾーンごとに温度風量制御できるシステムが導入されているため、部屋ごとに温度を上げたり下げたりすることで省エネ運転が可能です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
全館空調と一言でいってもメーカーによってその方式やコストは様々です。ご自宅に最適な設備は何か、悔いのない選択をして快適な住環境を手に入れていただきたいと思います。

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