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【地盤改良とは】地盤改良前に知るべき!その注意点と体験談

公開日 2022.05.27
更新日 2023.07.11
土地探し家づくりの流れ

住宅を建てる地盤が弱いと判断された場合、地盤改良を行います。すべての土地に必要ではないため、住宅計画の中でも見落とされがちな過程です。住宅建設会社から突然「この土地は地盤改良が必要です」と言われて驚いたという声も少なくありません。自分の購入した土地に地盤改良が必要になった場合、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。
今回の記事では、弱い地盤の特徴、地盤改良の工事方法、地盤改良の注意点をご紹介します。ぜひご自身の住宅づくりにお役立てください。

この記事のポイント
  • 工事内容の種類が表でわかりやすい
  • 地盤改良を適正に行うポイントがわかる
  • 体験談から地盤改良のリアルが見える

目次

1.地盤改良とは

地盤調査の結果、予定している建物に耐えきれない弱い地盤と判断された箇所を、強い地盤に改良することを「地盤改良」といい、そのために必要な工事を「地盤改良工事」といいます
地盤調査について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
【地盤調査】どんな事をするの?何が分かるの?地盤調査の疑問を解決します

2.弱い地盤の特徴と被害

弱い地盤にはこのような特徴があります。

  • 過去に陥没があった地盤
  • 液状化や不同沈下の可能性がある地盤
  • 田んぼ・沼・池・川など水場のある地盤

過去に陥没があった地盤は、再度陥没する危険性があります。また、地震などで一時的に地面が液体のようにやわらかくなる液状化、不揃いに沈下してしまう不同沈下が起こる可能性のある地盤も、弱い地盤です。特に水辺の地盤は水を含みやすく、同様なことが起こりやすい地盤になっています。

弱い地盤に住宅を建てた場合にはこのような被害が出ます。

  • 建物が傾く
  • 住宅基礎部分や壁に亀裂が入る
  • ドアや窓がゆがみ開閉しにくくなる
  • 建物の傾きによって、めまいや自律神経の乱れなどの体調不良が起こる

被害に遭った住宅は、資産価値も著しく低下してしまいます。また、自然災害でも被害を受けやすくなり、半壊や全壊のリスクが高まるでしょう。
そのため地盤改良が必要になります。地盤改良工事は、家を建てた後も安心して暮らしていくための重要な工事です。
ここからは、地盤改良はどのように行われるのかを紹介します。

3.地盤改良工事は主に3種類

地盤改良の工事方法は主に、1.表層改良工法 2.柱状改良工法 3.小口径鋼管杭工法の3種類に分けられます。それぞれの詳細・相場・メリット・デメリットをわかりやすく解説していきます。

固い地盤
下記の図は横にフリックして全体を見ることができます
      
1.表層改良工法 2.柱状改良工法 3.小口径鋼管杭工法
工事できる範囲 軟弱地盤が2mまで 軟弱地盤が2~8mまで 地中から地下30mまで
どのような地盤に向いているか 勾配があまりなく、改良範囲が浅い地盤 不同沈下(建物が不ぞろいに沈んだりする現象)の可能性がある地盤 ・軟弱地盤が深い地盤

・大きな重機を搬入できない狭い地盤
工事内容 土にセメントなどの固化材を混ぜたものを押し固めて地盤を形成する 土の中に穴を空けながらセメントなどの固化材を入れ、電柱のような柱をいくつか作る 硬い地盤まで鋼製の杭を打ち込む
期間 1~2日 2~3日 1~2日
相場
木造30坪の場合の目安
20万円~40万円程度 40万円~70万円程度 90万円~130万円程度
メリット 比較的リーズナブルで、小型の重機でも工事が可能 強固な地盤がなくても工事できる場合がある ・工事後の地盤強度が他に比べて高い

・小型の重機でも工事が可能
デメリット ・勾配のきつい土地では不向き

・工事者のスキルが仕上がりの強度に影響する
・土の素材でセメントが固まらないといった固化不良が発生することがある

・将来的に土地を売りたい場合、改良杭が地中に残ってしまうので、土地の売買価格が下がる原因になることがある
・下層に強い地盤がないと工事できない

・工事中の騒音や振動が大きい

※相場はあくまでも目安です。地盤の状況や住宅建設会社によって大きく変動する可能性があります。

4.地盤改良工事を依頼するときのポイント

地盤改良の判断は素人では難しいため、地盤に関してすべてを工事業者に任せるという方も多いのではないでしょうか。しかし工事業者によっては、地盤改良が必要ない場所を高額で改良されたり、施工技術が低く地盤の強度が低くなったりなどのトラブルにつながることもあります。
そのような事態にならないよう、地盤改良依頼の際に知っておきたいポイントをご紹介します。

1)施主が工事会社を指定したり地盤改良法を希望できるケースもある

一般的に、地盤改良工事は住宅建設会社が下請け会社に依頼して行いますが、施主が希望の工事業者を指定できるケースもあるので、住宅建設会社へ相談してみましょう。さらに、「有害物質が出る素材を使わず改良工事をお願いしたい」など、工事方法に対する希望も住宅建設会社を通して工事業者へ依頼できます。地盤の状況と希望の工法が合わない場合は不可になりますが、後悔しないためにも、気になる工法を見つけたら提案してみると良いでしょう。

2)有資格者が地盤改良方法を決めているか確認する

多くの地盤改良業者は、専門知識のある有資格者が調査を行い工事内容を判断しています。 しかし、中には調査担当者の知識や経験が乏しく、無資格の場合もあるので注意が必要です。担当者の資格の有無について、特に決まりはありませんが、有資格者に知識があることは明確です。トラブルを避けるためにも「十分な知識を持っているか」を基準に判断しましょう。下記の点に注意し、改良工事会社を見極めると良いでしょう。

  • 建築・地盤に関する資格を持った担当者が改良内容を決めている
  • 担当者の知識や経験が豊富
  • 工事現場に責任者がいる

会社HPから資料請求や電話ができるので気になる会社があったら活用しましょう。会社によっては、地盤の情報やより詳しい改良方法を提案してもらえることもあります。

3)予算や工事日程を多めに見ておく

地下の様子は調査するまでわかりません。地盤調査結果が、事前に調べていた内容と大きく異なり、改良費用が予算の数倍になることもあるでしょう。
さらに、大がかりな工事になれば工事期間が伸びてしまうことも。予算や日程に余裕をもっておくと焦ることなく対応できます。

4)セカンドオピニオンを依頼する

提示された改良内容に不安がある場合は、他の地盤改良会社にセカンドオピニオンを依頼するのも一つです。数社に見積もりを出してもらい、価格と改良内容を決めましょう。
注意点として、住宅建設会社に特定の工事業者がある場合は、セカンドオピニオンを依頼できないケースもあります。地盤調査前に確認しておくことで、価格や改良結果に納得できない場合のトラブルを未然に防げるので安心です。

5.地盤改良の体験談を集めました

住宅の地盤改良をした方はどのように感じたのでしょうか。Instagram投稿の中から体験された方の声を集めました。ぜひ参考になさってください。


アカウント名:kame_no_ieさん

予算を多めに見ることで、スムーズに改良工事まで進めています。



アカウント名:miffy_misawahome さん

予算より30万円程度オーバーしましたが、強い家になってほしいと気持ちを切り替えて前向きに家づくりをされています。



アカウント名:home_1122_yamatooooooさん

4社に見積もりをとって、その中から一番安い柱状改良工法を採用している工事業者に決めたそうです。予算の3倍以上の改良費用に驚きの様子が書かれています。



アカウント名:mgho_useさん

予算50万円。実際にかかった改良費用80万円。差額はオプションを諦めることに。多めの予算見積もりを進めています。



アカウント名:5656_homeさん

280万円と驚きの改良費用。間取りづくりで減額をしていますが、熱心な設計士との家づくりに満足されているようです。



アカウント名:my_house_aqさん

改良費を90万円から88万円に減額してもらえた体験談。中間報告書を出してもらい、スムーズな値引き交渉をされています。





まとめ

住宅建設での地盤調査は義務化されており、その際、地盤改良が必要なケースは全体の8割といわれています。住宅建設には地盤調査と地盤改良は必要な工程として考えておくとよいでしょう。
どちらも相場を決めるのが難しいため、地盤に対する予算をオーバーしてしまうなど、完全に納得できる結果にはならないことも多くあります。また、地盤にはお金を掛けたくない。予算はとっているが、他の費用に回したいと考えている方もいるでしょう。
しかし、長く安全な住宅で暮らすためには地盤はとても重要です。地盤が弱いことで、こだわった住宅が傾いてしまい、住めなくなるかもしれません。
そうならないためにも、理想の家づくりの中に地盤に対する知識も追加して、より安心安全で満足できる家づくりをなさってみてください。

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