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【耐震等級3】地震に強いハウスメーカー10社!高耐震の工法や注意点もご紹介

公開日 2022.10.13
更新日 2023.07.13
住宅建築家づくりの流れ

注文住宅を考える際に、押さえておきたい耐震性能。
耐震性能を表す指標に「耐震等級」があり、耐震等級3が最も高い耐震性能となります。
今回の記事では、耐震等級3の家づくりを実現するハウスメーカーや工務店の取り組みや、高耐震住宅づくりのコツをご紹介します。

この記事のポイント
  • 耐震等級3に対応するハウスメーカー・工務店
  • 耐震性が高い建築工法
  • 耐震性を上げる際の注意点

目次

1.「耐震等級」とは

耐震等級とは、住宅の性能表示制度を定める「住宅と品質確保の促進等に関する法律(住宅品質確保促進法)」に沿って制定された、地震に対する建物の強度を示す指標のひとつです。
耐震等級1〜3までの3段階で表され、数字が大きくなるほど強い家となります。

耐震等級について知りたい方は、こちらをご覧ください。

新築住宅における耐震等級とは?耐震等級3と3相当の違いについても解説します

耐震等級

2.耐震等級3に対応したハウスメーカー10社

住友林業

住友林業

画像引用元:住友林業の家 マルチバランス構法

阪神・淡路大震災の最大地動加速度の1.2倍、1.5倍を2回、さらに2倍を7回と、巨大地震を超える地震力を検証しました。その結果、マルチバランス構法の試験体は損傷も倒壊もなく、最高等級3の想定レベル(震度7・約600g al )を余裕で上回る高い耐震性を確認しています。

参照資料:住友林業の家 マルチバランス構法

タマホーム

タマホーム

画像引用元:タマホームの家づくりの手引き

熊本地震で観測された前震1回と本震2回の耐震実験の結果、タマホームの「大安心の家」は、 3回目の揺れが終わった後でも揺れ幅が小さく、損傷は壁紙の割れなど軽微なものだけ。構造的な性能の低下はほぼ認められず、3回目の揺れの後でも充分な耐震性能を保っていました。

参照資料:タマホーム ホントに地震に強い?振動実験してみました

三井ホーム

三井ホーム

画像引用元:三井ホーム 5つの住宅性能

国立開発研究法人 土木研究所で実大震動実験を実施。熊本地震を始め、日本で観測された震度7すべての大地震で検証。プレミアム・モノコックGを使用した最新の実験では、震度7連続60回の揺れにも耐え抜きました。

参照資料:三井ホーム 5つの住宅性能

一条工務店

一条工務店

画像引用元:実大耐震実験対応商品:全モデル

代表的な商品だけでなく、実際に販売するすべての商品タイプで耐震実験を行っています。2階建て、3階建て、1階がガレージのタイプなど、あらゆる構法、あらゆる建物で実験を実施。どの商品タイプを選ばれても、地震に強く、安心であることを実証しています。

参照資料:実大耐震実験対応商品:全モデル

ヤマダホームズ

ヤマダホームズ

画像引用元:Quakeproof and Fireproof耐震性・耐火性

構造体と強力に一体化した剛床工法を採用。 梁構造用合板を留め、床を面構造にすることで水平剛性を高めました。 これにより、地震や台風時に床面が受ける横揺れやねじれを抑制することができます。

参照資料:剛床工法 大空間を可能にする水平剛性の向上

セキスイハイム

セキスイハイム

画像引用元:ずっと快適な住まいを作る10の性能

さまざまな揺れを想定した実大耐震実験を実施。過去の大地震の振動周期を忠実に再現し、外装・内装とも実際の生活を想定した建物で250回を超える加振実験を行なっています。

参照資料:RESILIENCE TECHNOLOGY 01 強さの理由:構造体

トヨタホーム

トヨタホーム

画像引用元:トヨタホーム 耐震性能

大震災にも、くり返す余震にも、確かな耐震性能を発揮。
地震大国日本で安心して暮らすためには、住まいの耐震性がとても重要です。トヨタホームが開発した強靭な構造体「パワースケルトン」と、独自の制震装置「T4システム」を組み合わせれば、大地震後も安心して長く住みつづけることが可能です。

参照資料:トヨタホーム 耐震性能

パナソニックホームズ

パナソニックホームズ

画像引用元:パナソニックホームズ 制震鉄骨軸組構造 [HS構法]

制震鉄骨軸組構造は、耐震等級3に対応した頑強な構造技術。
高層ビル建築にも使用される制震技術を応用した、耐力壁「アタックフレーム」を採用しており、繰り返す大地震にも建物のゆがみすら防ぐ強さを発揮します。

参照資料:パナソニックホームズ 制震鉄骨軸組構造 [HS構法]

三菱地所ホーム

三菱地所ホーム

画像引用元:制震・免震住宅 地震に強い家|ハウスメーカー三菱地所ホーム (mitsubishi-home.com)

オリジナル制震システム「エムレックス」は、建物に加わる地震動エネルギーを熱エネルギーに変換・吸収して、建物の揺れを抑えるシステムです。
大地震による建物の倒壊を防ぐのはもちろん、繰り返す余震のたびに構造にかかる負担を大幅に軽減することで、建物の変形や耐震性能の劣化をおさえます。

参照資料:強い地震でも倒壊しない建物に 制震システム「エムレックス」

アイフルホーム

アイフルホーム

画像引用元:アイフルホーム 火災と地震に強い家 安全性能

住宅性能表示制度の耐震等級で最高等級3相当を実現するアイフルホームの住宅のこだわりは、使用する建築材の基準は勿論、接合の基準、構造の基準を高い水準で定めています。アイフルホームは、建てる一邸一邸において全棟地盤調査を実施し地耐力を調べ、最適な基礎計画の上に強い構造を築く家づくりを進めています。

参照資料:アイフルホーム 火災と地震に強い家 安全性能

3.工務店の取り組み

耐震等級3に対応した取り組みをしているのは大手ハウスメーカーだけではありません。
工務店も、様々な方法で耐震強化に取り組んでいます。
工務店の取り組みを紹介していきます。

耐震等級3に対応している工務店例

株式会社 黒須建設

株式会社 黒須建設

画像引用元:黒須建設 スーパーストロング構造体バリュー

スーパーストロング構造体バリューの家は、形状や大きさに応じて必要な床の量を算出し、不足している場合は補強を行うため、地震に強い家といえます。

参照資料:黒須建設 スーパーストロング構造体バリュー

東建コーポレーション 株式会社

東建コーポレーション 株式会社

画像引用元:東建の高耐震技術 ①シェルルシリーズの優れた耐震性能

地震によるねじれ現象の防止に威力を発揮する弊社独自開発の高耐力フレームと、鉄骨柱をバランス良く組み合わせて配置することで、建築基準法で要求される1.5倍の構造強度を実現。風や地震などによる揺れなど、急激にかかる大きな力をしなやかに受け止める安全な構造体です。

参照資料:東建の高耐震技術 ①シェルルシリーズの優れた耐震性能

株式会社リバティーホーム

株式会社リバティーホーム

画像引用元:耐震実験とリバティホームの地震対策

リバティホームでは耐震等級3(何百年に一度レベルの大地震の1.5倍の威力に耐えられるもの)を実現しています。強固なベタ基礎や骨太の構造に、制震システムなどを合わせているのです。面材耐力壁や筋交いなど、一般的なものより耐震性能の高い仕様を採用していることで、計算以上の強さが発揮できるのだと思います。

参照資料:耐震実験とリバティホームの地震対策

タナカホームズ

タナカホームズ

画像引用元:タナカホームズ PREMIUM STYLEL

高断熱×高遮熱×耐震性。地震に強いツーバイシックス(2×6工法)を採用。 ツーバイシックス工法は、枠組壁工法の一種でパネル化された壁や床などの「面」で家を構成する工法はツーバイフォー工法と同じですが、壁厚も増すため、断熱材も厚くなり、より高性能な住宅になります。

参照資料:タナカホームズ PREMIUM STYLEL

株式会社大共ホーム

株式会社大共ホーム

画像引用元:大共ホームの注文住宅が選ばれる理由

大共ホームでは一般的な2×4工法と比べ、構造材の間隔が狭い北米型2×4工法を採用しています。そして自社社員による直接施工・管理体制の下で構造材をパネル化し、地震に強い施工を行います。

参照資料:大共ホームの注文住宅が選ばれる理由

工務店のHPに耐震等級の掲載が少ない理由

地域密着型の工務店では、ホームページを見ても耐震等級について記載がないことが多くあります。理由は、小規模な工務店は、申請の手間や経費などを考え、耐震性の高い住宅を建設しても等級をとらない場合もあるのです。工務店で耐震等級3を取得したい場合は、初期の相談の時点で提案してみましょう。
耐震等級について詳しく知りたい方はこちらを御覧ください。
新築住宅における耐震等級とは?耐震等級3と3相当の違いについても解説します

4.耐震性能でも耐震性を比較できる

各メーカーの耐震性の比較は、耐震等級だけでなく耐震性能でも比較できます。

耐震性能とは

建物が地震の揺れに耐える能力のことをいいます。工法として耐震・制震・免震の3つに分けられ、各工法を使用することで耐震性能を上げられます。

耐震性能

耐震等級が高い・耐震性能を使用して建てられた住宅は、地震に強い住宅といえるでしょう。

地震に強い住宅に使われている耐震性能

ここからは耐震性を高めるために使用される工法を、耐震性能と合わせてご紹介します。

ツーバイフォー工法【耐震】

耐震性能

ツーバイフォー工法とは、床や壁など「面」で建物を支える構造のことで、使用する木材のサイズが「2インチ×4インチ」なのでツーバイフォー工法とよばれています。柱などで支える従来(軸組み)工法とは違い、床・壁・屋根が一体となって建物を支えるため、外力が一部分に集中せず崩れにくい構造です。
耐震性、耐火性、省エネ性に優れている工法としても知られています。

建物の軽量化【耐震】

一般的に鉄骨を使用した住宅の方が強いと思われていますが、実際は木造住宅の方が耐震性があるといわれています。木材は、鉄骨より軽く歪みながら揺れを逃がせるため、大地震でも倒壊しにくい素材なのです。
木材を同量の鉄とコンクリートと比較した場合

  • 圧縮に対する強さ・・・鉄の約2倍、コンクリートの約9.5倍
  • 引っ張りに対しての強さ・・・鉄の約4倍、コンクリートの225倍

上記の結果から、鉄やコンクリートよりも長けていることがわかります。住宅建設会社によっては、自社で独自の軽量部材を使用している会社もあるので、そちらを検討するのもよいかもしれません。
また、住宅上部に大きく重い部材を配置するとバランスが悪く倒壊しやすくなるので、屋根の素材も軽いものを選ぶとよりよいでしょう

屋根について知りたい方は、こちらをご覧ください。

新築屋根選びの注意点とは?人気屋根材の性能&コストも徹底比較!

ダンパーを使って揺れを吸収【制震】

ダンパー

画像引用元:東建コーポレーション

制震構造には「ダンパー」を使用するのが一般的です。ダンパーとは、住宅の構造内に組み込む器具で、地震に合わせて揺れを軽減させ、建物の構造にダメージが伝わることを防ぎます。家具の転倒や住宅の破損も減らすことができるので、安全で長く住み続けられる住宅となります。

強く揺れを逃がす住宅基礎【免震】

住宅基礎【免震】

住宅の基礎の工事方法は、主に3種類あります。その中でも地震に強いとされている基礎は「ベタ基礎」と「SRC基礎」です。この2種類は、基礎底面全体で建物の重さを支えられ、地震の衝撃を地盤へ効果的に逃がせる構造となっています。また、先述した揺れない住宅にするための制震部材を基礎部分に設置することもあります。

住宅の基礎を知りたい方は、こちらをご覧ください。

【欠陥住宅を防ぐ!】新築を検討するなら、基礎工事を理解しておこう

5.要注意!耐震等級3は住宅が建ってからでは申請できない

耐震等級3の取得には一般的に以下のような工程が必要です。

耐震等級3の取得

この内容からわかるように、住宅の図面から審査対象になります。住宅のプランを考える時点で耐震等級3を取得する準備をしなければならないことを考慮しておきましょう。
耐震等級3相当の住宅を建てたのち、耐震等級3を申請できずローン減税や保険料の割引ができなかったというトラブルもあるようです。手遅れにならないよう、契約時に耐震等級3の住宅にしたいという旨を担当者に伝えておきましょう

6.耐震性を高めることでの注意点

ここまで耐震性を高める方法をご紹介してきましたが、高い耐震性を持った住宅を建設するには注意点もあります。

耐震性を高めるには費用がかかる

下記の図は横にフリックして全体を見ることができます
費用名 費用内訳 費用の目安
耐震構造 補強費用
※新築住宅の場合は、工事費に含まれていることが多い
補強費用 新築は費用なし
補強の場合は150万程度
制震構造 部材
工事費用
50万円程度〜
免震構造 部材
工事費用
200万程度〜

※上記の金額はあくまでも目安です。建築内容で大きく変動することがあります。

この他に、地盤の調査や改良が必要になった場合は数十万から数百万程度。さらに耐震等級3を取得するには、申請費用と建設費用を合わせると※総額40万円〜50万円程度かかります。※建築プランに含まれているケースもあります。
納得できる耐震性を備えた住宅を建てたい場合は、建設予算を多めに見積もっておくと安心でしょう

劣化によって耐震性が低くなる可能性がある

新築時に高い耐震等級・耐震性能を取得した住宅でも、劣化してしまうと倒壊しやすくなります。劣化の主な原因は、床下が結露することで発生する、カビやシロアリ被害です。
新築時に結露しにくい工法や空調設備を採用すると良いでしょう。

住宅のカビや結露について知りたい方は、こちらをご覧ください。

【後悔しない!新築の空調】全館空調とカビの関係性について

シロアリ被害について知りたい方は、こちらをご覧ください。

【監修記事】基礎断熱のシロアリ対策は「基礎工事」と「シロアリの生態」を理解して万全に!

メーカーごとに耐震に対する考え方が違う

地震に強い住宅でも絶対に倒壊しないという保証はありません。どんなに耐震性能を盛り込んだ住宅を作ったとしても、想定外の地震が来た場合には倒壊することも考えられます。

  • 地盤を強化して建物の耐震が低くても地震に耐えられる住宅にする
  • 地震で被害を受けても補修できる保証がある
  • ある程度の耐震だけ備えて間取りの自由を優先する

など考え方が住宅建設会社ごとに違ってきます。どこの部分を優先させるかも考慮しながら住宅建設会社を選ぶと良いでしょう。

希望する間取りを断られることも

耐震性能を上げるためには壁や柱の量・窓を付けられる位置や大きさなどの規定があり、間取りの自由が限られてしまうこともあります。特に、耐震等級最上級である耐震等級3を取得する場合は細かな審査があるため、希望する間取りを断られるケースもあるようです。
好みの間取りづくりも重要ですが、長く住むことを考えると耐震性を犠牲にすることはリスクがあります。耐震性とデザイン性のバランスが取れた住宅づくりを目指しましょう。

まとめ

国が定める建築基準法では、耐震等級1が義務づけられており、更なる高耐震の基準として耐震等級2や3があります。しかし、耐震基準が高くなるほど間取りに制限が出る、費用がかさむといったケースもでてきます。
地震の多い日本では、ハウスメーカーや工務店は、さまざまな技術開発などで耐震性の高い住宅を作っています。ご自身のお住まいの地域の特性なども考慮に入れながら、地震に強い安全な住宅を作りましょう。

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