今回の記事では、空気清浄機付きの全館空調を各メーカーごとに紹介していきます。空気清浄方式やメリットも合わせてご紹介しますのでぜひご覧ください。
- 空気清浄方式の種類が分かる
- 各種メーカーの全館空調の空気清浄機能を調査
- お役立ち情報
目次
1.全館空調とは
全館空調とは、1つの空調管理システムで冷暖房と換気が行える設備を指します。

全館空調について知りたい方はこちらをご覧ください。
【全館空調を徹底比較】各メーカーの比較すべきポイントを知ってライフスタイルに合った1台を見つけよう!
全館空調のメリット・デメリットと、全館空調について知っておくべき4つのポイント
2.空気清浄方式の違い
空気清浄方式は、大きく分けて2種類あります。どちらも空気中の花粉やほこりを集めて除去する方式ですが、汚れた空気の集め方が以下の種類に分かれます。
1)フィルター方式

空気清浄機の内部にあるファン(羽根)を回転させ室内の空気を吸い込み、花粉やほこりなどの浮遊物質をフィルターでろ過して綺麗な空気を排出する方式。最も一般的な方式で、各メーカーごとに高機能フィルターを採用したものが多く販売されています。フィルターに汚れがたまるので、定期的にフィルターの掃除や交換が必要になります。
メリット
- 清浄機能が弱まってもフィルター交換で清浄機能が復活する
デメリット
- PM2.5以下の微細な菌の除去は難しい
- 高機能フィルターの交換費用が高額になることがある
2)電気集じん方式

高圧放電によって、空気中に浮遊するほこりや塵(ちり)をプラス極(画像:イオン化部)に帯電させ、マイナス極に帯電させたフィルター(画像:集じんフィルター)にほこりを集めます。その後、フィルターを通す際に汚れをこし、きれいな空気を排出という流れはフィルター方式と同じです。
メリット
- PM2.5以下のPM0.1の粒子まで除去できる
デメリット
- 精密機械のため個人でメンテナンスできない
- 本体が大きく圧迫感がある
3.全館空調の空気清浄機能を各メーカーごとに紹介します
パナソニックホームズ「エアロハス」【フィルター方式】

花粉・PM2.5 対応
<特徴>
病院のクリーンルームや手術室などの医療施設のほか、半導体や液晶など、高い清浄度を求められる環境で用いられる超高性能フィルター「HEPAフィルター」を採用。
ほこりや花粉はもちろん PM2.5 にも対応し、家中を清潔な空気に。
2022年1月6日にパナソニックから販売される、※ZEH対応の住宅『FORTINA(フォルティナ) X』にはこちらの「エアロハス」が標準装備されています。
<お手入れ方法>
本体のお手入れは6ヵ月に1回。掃除時期が来るとコントロールパネルに「お手入れのお知らせ」が表示されます。
- 床下のフィルターの掃除
- HEPAフィルターの掃除
- エアコンダストボックスの掃除
- 循環用ルーバー(空気清浄機の外側)の掃除
- エアロハス中枢の掃除
三井ホーム「スマートブリーズ」【フィルター方式】

花粉・PM2.5 対応
<特徴>
「スマートブリーズ」の高性能フィルターは、花粉やほこりを90%カットし、さらにカビの胞子も除去。「PM2.5」の流入も防ぎます。
タイプ別の「スマートブリーズ・エース」「スマートブリーズ・プラス」にはさらに加湿・脱臭機能を標準装備しているので、インフルエンザウイルスの生存率を低減し、カビやダニが繁殖しにくい湿度を保つことができます。
<お手入れ方法>
基本のお手入れは、粗塵防虫フィルターを3か月に1回・給気清浄フィルターを年に1〜2回の掃除、フィルター交換は約2年に1回目安に交換が推奨されています。あまり汚れたままにしたくない方は月に1度の掃除がおすすめです。
- 粗塵防虫フィルターの掃除
- 給気洗浄フィルターの掃除
- 本体フィルターの掃除
- 機械室フィルターの掃除(8枚)
- 吸込口フィルターの掃除
デンソー「パラディア」【フィルター方式】

花粉・PM2.5 対応
<特徴>
屋外に浮遊している塵やほこりなどを除去し、花粉等に含まれるアレル物質を抑制します。PM2.5対応フィルターを搭載しているので、花粉の季節でも室内はきれいな空気に。プラズマクラスターイオン発生ユニット(オプション)を付けることで浮遊カビ菌の除菌やダニのふん・死がい等の浮遊アレル物質の増加を抑えることができます。
<お手入れ方法>
本体フィルターは2年で交換、換気フィルターは半年で交換が目安となります。
詳しいお手入れ方法はこちらをご覧ください。
フィルター交換・清掃方法
アズビル「きくばり」【電気集じん方式】

引用元:全館空調システム「きくばり」
花粉・PM2.5 対応
<特徴>
商業ビル用の電子式エアクリーナを家庭用の全館空調システムに採用した商品です。家の中の空気を循環させながら1時間に3~5回電子式エアクリーナーで家中の空気を浄化。家の中に持ち込まれた花粉やPM2.5、ハウスダストも除去します。さらに『きくばりeシリーズ』では、温度を下げずに除湿できる再熱除湿を採用しています。
<お手入れ方法>
室内のフィルターを2週間に1度ほこり掃除や水洗い、屋外のフィルターを3か月に1度ほこり掃除をします。
マッハシステム【電気集じん方式】

引用元:全館空調システム マッハシステムの導入は信頼と実績の株式会社FHアライアンス
花粉・PM2.5 対応
<特徴>
PM2.5レベルの有害物質をほぼカットできる高性能なフィルターを採用。熱交換器によって温度と湿度もある程度調整されるので、汚れた外気がそのまま全館へ送り出される心配がありません。電子式全館空気清浄ユニットは、換気の能力や風量はほぼ低下せず、電子式集じんフィルターは、ご自宅で繰り返し洗浄再生するので買い替えの必要なし。
<お手入れ方法>
空調フィルターの掃除は月に1~2回、DCファンのフィルターの清掃は2~3か月に1回、ファン本体の清掃は年に1回が目安となっています。
詳しいお手入れの仕方はこちらをご覧ください。
~全館空調システムの日々のお手入れ方法~
4.空気清浄機ではない!?今までにない除菌・脱臭方法も登場しています
(※2022年7月現在)
ファンや電気で集じんした汚れをフィルターでろ過する方法とは全く違い、居室空間にイオンを送り込み浮遊しているウィルスを分解し無力化する方式です。菌に直接作用するため、下記のことが可能となります。
- ナノレベルのウィルスや有害な化学物質も分解できる
- 菌を不活性化させるため、除菌だけでなく脱臭もできる
またファンがないため、運転中の音が静かなのも特徴です。

オンレイ ECO床暖イオン+【イオン放出方式】

<特徴>
全館空調の室内機にイオン発生素子を内蔵。国際特許技術(番号:2011-543422)により、イオンを発生させるポイントが一般的なイオン放出方式と比べて最大600倍のポイントからイオンを24時間発生させ、家のすみずみまでいき渡らせます。
イオンクラスターで発生したイオンは効力を発揮する時間も長く、一般的な空気清浄機と比べて最大で6倍長持ちすることがわかっています。そのため、ニオイの元となる物質や、人体に有害な菌やウイルスを強力に分解して数を減らします。
医療機関や、教育機関、食品工場、実験・研究室といった、衛生面が重視される場所でも導入されています。
<お手入れ方法>
イオン発生素子へほこりの付着等が目立つようであれば清掃しましょう。イオン発生素子は10年を目安に交換することを推奨しています。
※上記の各商品のお手入れ方法は目安となります。詳しくは各メーカーにお問い合わせください。
5.全館空気清浄機のメリット
メリット1|スッキリした部屋になる
家中全ての空調設定と空気清浄機能を1つのシステムで行うため、各部屋にエアコンや空気清浄機能を設置する必要がありません。景観を損なわずに部屋を広く使えるので、おしゃれでスッキリとした間取りづくりが可能になるでしょう。
メリット2|家族の健康を守ることができる
全ての部屋の温度を一定にし空気清浄をすることで、花粉症や、お子さんのぜんそく発生のリスク軽減に繋がります。また家中の空気を清浄・脱臭するのでペットの臭いも気になりません。
まとめ
フィルター方式と集じん方式では標準装備の空気清浄システムのみでもキレイな空気の中で過ごすことができますが、有害物質を徹底的に除去したいとお考えの方は、オプションなどで機能をプラスすることをおすすめします。
また、イオン放出方式ではイオンを放出するポイントが多いものをおすすめします。ご自身に最適な全館空調システムと空気清浄機能で、快適な温度とクリーンな空気環境を手に入れてください。