土地の購入を検討している方は、どのくらいの広さの家を建てることができるのか、どんな間取りが作れるのか気になりますよね。この記事では、30坪の土地に建てられる建築条件別の家の広さについてわかりやすく解説します。
さらに、30坪の土地でおしゃれで機能的な間取りにするコツもお伝えします。
40坪・50坪の土地に建てられる建築条件別の家の広さと間取りもご紹介しています。詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
【40坪の土地に建てる注文住宅】建てられる家の広さの解説とおしゃれな間取りづくりをご紹介
【50坪の土地に建てる注文住宅】建てられる家の広さの解説と住みやすい間取りのコツをご紹介
- 30坪の土地にどのくらいの広さの家が建てられるのかがわかる
- 暮らしやすい間取りづくりのコツがわかる
- 間取りをおしゃれにするテクニックがわかる
目次
1.30坪の土地って広いの?狭いの?
総務省の平成30年住宅・土地統計調査 住宅および世帯に関する基本集計によると、2018年の戸建ての平均面積は126.63㎡=38.4坪とあります。
都心や郊外など地域性によって住宅の土地面積は大きく変わりますが、30坪の広さは全国平均からすると少しコンパクトなサイズだということがわかります。
引用:総務省 平成30年住宅・土地統計調査 調査の結果
2.30坪の土地に建てられる居住面積を知ろう
30坪の土地のすべてに床面積を確保できるわけではありません。土地にはさまざまな建築条件があり、確保できる広さの条件が決まっています。建築条件別の居住面積を算出する方法を解説していきます。
居住面積=延べ床面積は建ぺい率と容積率で決まる
建物各階の床面積をすべて足した面積のことを「延べ床面積」といいます。2階建ての建物の場合、1階と2階の床面積の合計が延べ床面積です。
この延べ床面積が一般にいう居住面積なので、30坪の土地ではどのくらいの延べ床面積が確保できるのかを調べていきます。
延べ床面積は建ぺい率と容積率によって決まります。
- 建ぺい率:敷地面積に対する建築面積の割合のこと。
- 容積率:敷地面積に対する延べ床面積の割合のこと。
建築基準法では建ぺい率が30%~80%、容積率が50%~400%と、基準値が定められています。ご検討中の土地のチラシには数値が記載されているはずなので確認してみてください。
土地の用途地域や建ぺい率・容積率について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
その土地大丈夫?決める前に後悔しない土地選びの見極めポイント
30坪の土地には、どのくらいの広さの家が建つの?
30坪の土地の建築面積と延べ床面積を建ぺい率・容積率別に算出してみました。
住居地域は建ぺい率が40%~60%、容積率が100%~200%で定められていることが多く、容積率が100%で99.17 ㎡までの居室空間が、150%で148
㎡までの居室空間が確保できることがわかります。容積率の上限内であれば、2階もしくは3階建ての家を建てることができます。
平屋の場合は、建ぺい率が60%の場合、容積率が何%であっても、居住面積は59.5㎡となります。
居室の広さに余裕がある間取りは2階建て3LDK
30坪の土地では、建築基準法で定められた基準の建ぺい率が必ず100%未満になるので、建築面積(建物内で1番広い床面積)は30坪より狭くなります。一方で、容積率が高いほど延べ床面積を広く確保することができます。
定められた延べ床面積でどのくらいの居室が確保できるのかをイメージしていきましょう。上記でご紹介した延べ床面積を元に、モデルケースをご紹介します。
モデルケース
- 土地面積:30坪(99.17㎡)
- 建ぺい率:50%
- 容積率:100%
- 建築面積:15坪(49.59 ㎡)
- 延べ床面積:30坪(99.17㎡)
モデルケースの延べ床面積で、2階建て3LDKの間取りとした場合
- キッチン:4畳(6.18 ㎡)
- ダイニング:6畳(9.29 ㎡)
- リビング:14畳(21.69 ㎡)
- トイレ:2畳(3.11 ㎡)
- 浴室:2畳(3.11 ㎡)
- 洗面所・脱衣所:2畳(3.11 ㎡)
- 主寝室:8畳(12.4 ㎡)
- 子ども部屋:6畳×2部屋(9.29 ㎡×2=18.58 ㎡)
- 玄関:3畳(4.63 ㎡)
- 廊下:2畳(3.11 ㎡)
- 階段:2畳(3.11 ㎡)
- 収納(クローゼット/納戸など):合計7畳(10.84 ㎡)
2階建て3LDKの間取りで考えると、かなり余裕をもった広さのリビングや寝室を確保することができます。4LDKとして居室を1つ増やしたとしても、狭さはあまり感じない間取りが確保できそうです。
3.30坪の土地に建てる家をおしゃれで機能的にみせる間取りの3つのテクニック
30坪の土地は、先述の通り全国平均からすると少しコンパクトです。少しでも広くおしゃれに、そして機能的にする間取りのコツを3つお伝えします。
1)リビングを広くおしゃれにみせる
リビングを広く見せるテクニックはいくつかあります。効果的に採用することで、明るくて更に広く見える間取りになります。
吹き抜けLDKを採用する
画像引用元:株式会社黒須建設 施工事例
LDKに吹き抜けを取り入れることで、縦空間に広がりが出ます。天窓を施すことにより自然光が室内に入り、お部屋の明るさもアップします。部屋の明るさは、開放感を演出できるポイントのひとつです。
リビング階段を採用する
画像引用元:アーキホームライフ 施工事例
リビング階段は、リビング内に階段を作ることで上階とのつながりが生まれ、よりリビングを広く感じることができるテクニックです。内装デザインのアクセントにもなり、階段スペースを節約しながらおしゃれな空間を演出することができます。
対面キッチン・オープンキッチンを採用する
画像引用元::M’s ASSOCIATES 施工事例
カウンター越しにダイニング、リビングとつながる対面キッチンやオープンキッチンも、人気のLDK間取りのひとつです。壁に遮られるつくりではないので、キッチンにいても開放感を得ることができます。リビングでくつろぐ家族とコミュニケーションも取りやすく、子育て世代の方にも人気の間取りです。
梁見せ天井を採用する
画像引用元:株式会社黒須建設 施工事例
梁見せ天井も、リビングの縦空間を活用して部屋を広く見せるテクニックのひとつです。屋根の形を生かし、力強くおしゃれなインテリアとしても活躍します。
2)スペースを有効活用する
限られた床面積で効率よくスペースを生み出すには、間取りのムダをなくしていくことが重要です。通常の間取りでは意外とムダになってしまっているスペースを活用するテクニックや、スペースを作り出すテクニックをご紹介します。
スキップフロア/階段中2階・3階
画像引用元:創建ホーム 建築事例
スキップフロアとは、リビングや居室の床などに高低差をつけて、段差や短い階段でつなげる間取りのことをいいます。小上がりや中2階などのことです。フロアの段差を変えることで、壁を使わず空間をゾーニングすることができます。高低差を活かして収納を作ることもできるため、コンパクトな間取りを実現するのに有効な間取りです。
階段下スペースを有効活用する
画像引用元:アーキホームライフ 施工事例
居住スペースを広く確保するためには、使われていないスペースを有効活用しましょう。階段は上下に高低差が出るので、階段下の空間にはトイレや収納を設けることもできます。
和室/畳小上がり
画像引用元:M’s ASSOCIATES 施工事例
リビングに小上がりの和室を隣り合わせに配置することで、ちょっとしたプライベートスペースとしても活用できます。小上がりにすることで、リビングの床との間に高低差ができ、収納スペースを確保することもできます。
ロフト・勾配天井の活用
画像引用元:株式会社エクステージ注文住宅設計 施工事例
屋根裏の部分も、有効活用できるスペースです。ロフトは収納スペースとなるだけでなく、ちょっとした趣味の部屋やキッズスペースとしても活用できます。秘密基地のような印象もあり、人気の間取りです。
勾配天井のお家だと、屋根の傾斜部分とロフトの相性がよく、おしゃれな空間を演出できます。
3)収納でお家をすっきり広く見せる
間取り内にたっぷりと機能的な収納スペースを確保することで、インテリアの邪魔をせず開放的な居住スペースを確保できます。
ウォークインクローゼット
画像引用元:HOME LABO 施工事例
空間をおしゃれに保つには、シーズンオフの衣類や家電などが片付いていることが重要です。すっきりとした収納に一役買ってくれるのがウォークインクローゼットです。主寝室に作る方法もありますが、各居室の収納は最低限にして、ファミリークローゼットとして大容量のウォークインクローゼットを取り入れた間取りも近年人気です。出入口をふたつ設け、ウォークスルークローゼットにすることで通路としても利用することができます。
シューズインクローク
画像引用元:アーキホームライフ 施工事例
広い玄関をつくらなくても、小さなシューズクロークがあれば玄関収納もすっきりします。ちょっとした防寒着やアウトドア用品、ベビーカーなどを収納することができるので、玄関に荷物が出たままの状態や靴が散らかったりするのを防ぐことができます。
まとめ
30坪の土地には、3〜4人家族が暮らせる十分な間取りを確保することができます。間取りに工夫を凝らすことで、さらに広々としたお家が実現できます。今回ご紹介したテクニックを使いながら、おしゃれで広々した家の間取りを作り上げていってください。