注文住宅においての第一関門となる「土地探し」。 ここをクリアしなければ次に進めません。土地探しを上手く進められない。または、失敗してしまったという方の特徴にはこのようなものがあります。
- 希望の条件(予算・エリア・坪数など)が決まっていない
- 不動産の情報ばかりに気を取られ、担当者との信頼関係が築けていない
- 様々な事情や焦りから土地をしっかり精査せずに購入を急いでしまった
適切な土地探しのステップを踏むことが非常に重要です。 この記事では土地探しの流れとコツをご紹介していきます。
- 土地選びの基準をしっかり持つ
- 自分に合った土地の探し方を見つける
- 信頼できる不動産担当者を見極める
目次
1.「土地探し」を始める前にやるべきこと
やみくもに土地探しを始めてしまうと、無駄な動きが増えてしまいます。 まずは自分たちはどのような土地を求めているのか整理することで、後の土地探しが効率よくなります。
土地を探す「目的」と「希望の条件」を明確にする
人それぞれ生活スタイルや環境、価値観は様々です。ご自身にとって「良い土地」「良い場所」とはどのようなところなのか、その条件を明確にします。
例 | |
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家づくりの目的 |
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理想の条件 | 1.災害のリスクが低い土地 2.アクセスが良い 3.商業施設が近くにある 4.静かな環境 5.治安の良い土地 6.医療機関に行きやすい 7.学校や保育園が近い 8.平坦な土地 9.近隣住民の雰囲気が良い 10. 日当たりが良い |
参考: 「家を買う理由ランキング」
参考: 【土地選び・土地探しで優先することランキング】男女500人アンケート調査
【さらに効率を上げるためのコツ!】
①条件にしっかりと優先順位をつけておく。
「第一に災害のリスク。次に学校へのアクセス、治安の良さ〜」と家づくりの目的を踏まえて判断基準とその優先順位を明確にしておきましょう。
②ご家族がいる場合はきちんと共有しておく。
家族みんなのマイホーム。意見が分かれてなかなか進まない。後から納得できずにモヤモヤするなんてことにならないためにも、今のうちに時間をかけてしっかり議論しておくことをおすすめします。
土地購入の予算を立てる
土地探しにおいて1番重要な条件は「予算を出す」ことです。 家づくりの費用は大きく分けて、「土地購入費」「建築費」「諸費用」の3つ。 全体の予算を考えながら土地の予算を出していきます。
土地購入費について
土地購入時には、土地の代金以外にもさまざまな諸費用がかかります。 諸費用は一般的に土地購入費用の5〜10%程といわれていますが、その土地によってかかる諸費用は異なりますので、単純な計算式で出せるものではありません。また、土地購入時ではなく、土地購入後にかかってくる費用もありますので注意しましょう。
【土地購入時にかかる諸費用】
- 仲介手数料
- 手付金
- 印紙代
- 登記費用
- ローン手数料・保証料
【土地購入後にかかる税金】
- 不動産取得税
- 固定資産税
- 都市計画税
【その他、土地の状況によっては必要となる費用】
- 古家の解体費
- 調査費用(敷地調査や地盤調査)、地盤改良工事費
- 水道やガスなどのインフラ設備費
土地購入の流れやポイントをまとめたこちらの記事も参考にどうぞ。
【土地購入】土地を購入するってどうすればいいの?流れやポイントを簡単な図で分かりやすく解説します。
家づくりの豆知識 ~建設費用について~
2020年に住宅金融公庫が住宅ローン「フラット35」申込者に対して行った調査によると、注文住宅の住宅面積の全国平均は124.4㎡(約38坪)。さらに、建設費の全国平均は約3500万円です。しかし、ここは建物の大きさや間取り、建設会社によっても大きく変わります。気になる建設会社があれば事前に資料請求などしてより具体的な予算感を把握しておきましょう。
引用: 2020年度フラット35利用者調査建築費・諸費用について
住宅の建設も、建設費だけでなく様々な費用がかかります。【建築費・諸費用】
- 住宅建築費
- 家具・カーテンなどインテリア用品、家電製品
- 引っ越し代
- 諸々の手続き費用、雑費用
例)建設会社との工事請負契約にかかる手数料
保険料 (火災保険・地震保険・団体信用生命保険料)
地鎮祭や上棟式の費用など
家づくりにかかる全体の費用を踏まえて、土地の予算を立てるようにしましょう。とはいえ、考えられる費用の範囲が広く「とても一人では考えられない」という方も多いはず。 すでに気になる住宅建設会社がある場合、この段階で資料請求や無料間取り依頼サービスなどを利用してみるのも一つです。予算計画の参考になる資料を送ってくれたり、土地探しの段階からサポートしてくれる会社もあります(全ての会社が対応しているわけではありません)。ただし、「資料請求後に営業電話やメールがくることがある」ということを頭に入れておきましょう。さらに、一括請求サービスを使用する場合はそれが複数社になりますので、実際に検討したい会社に絞って利用されることをおすすめします。 依頼先の選定には、工務店とハウスメーカーの違いについて詳しく説明したこちらの記事も参考にどうぞ。
【新築注文住宅 】ハウスメーカーと工務店どちらに頼めばいいの?違いや特徴を知って満足出来る家づくりをしよう家づくりの豆知識 ~資金計画書とは~
見積書(建物本体の工事費用)とは別に、家づくりにかかる費用を全て書き出した資金計画書というものがあります。作成のタイミングや書類の形式、書類の名称はその住宅建設会社によって異なりますが、土地購入後、実際に家づくりがスタートする際に目にすると思います。資金計画書の見方や抑えておきたいポイントを事前に把握しておくと、予算を立てる際や建設会社選びの際にも役立つかもしれません。
また、資金計画書は自分で作成することもできますが、専門知識が必要になり相当な労力がかかるでしょう。とはいえ、しっかり自分で把握しておきたいという方は、インターネット上でテンプレートや作り方を詳しく説明しているサイトもありますので、ぜひ検索してみてください。
画像引用元:townLife家づくり 資金計画書
家づくりの豆知識 ~ローン申請に関して~
土地購入時から利用できる「つなぎ融資」「土地先行融資」などの方法があります。住宅ローンとは建物を担保に融資をする仕組みですので、まだ建物がたっていない土地購入の段階で融資を検討される場合に使われる方法です。事前に金融機関へ相談しておきましょう。
土地購入の流れやつなぎ融資について、詳しく説明しているこちらの記事も参考にどうぞ。
【土地購入】土地を購入するってどうすればいいの?流れやポイントを簡単な図で分かりやすく解説します。
【つなぎ融資とは?】住宅ローンとつなぎ融資を詳しく解説!注文住宅をより快適に過ごす住宅設備を紹介土地探しを本格的にスタートさせる前に、条件や予算など具体的な選択基準を明確にし、優先順位をつけておくことで、土地探しがよりスムーズになります。さらに土地だけでなく、その後の家づくりを念頭に進めておくと安心です。
2.いよいよ土地探しスタート!4つの探し方とそのメリット・デメリットを知る
事前準備が整ったら、いよいよ土地探しのスタートです!土地の探し方は大きく分けて4つあります。それぞれのメリット・デメリットを踏まえ、自分にあった方法を探してみましょう。
①インターネットで検索する
インターネットを使用して、「〇〇県〇〇市 土地」などのキーワードで検索したり、不動産会社のホームページなどで調べる方法です。
気軽にできるので、事前準備の段階での情報収集にもおすすめです。ただ、なかなか良い情報を得るのは難しいと思います。また、周辺の状況までわからないことが多いので、気になるエリアは実際に自分の目と足で確認するようにしましょう。
メリット | デメリット |
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②自分の足で売り地を探す
文字通り、自分の足で希望エリアをまわり土地を探したり、知人などの紹介で見つける方法です。
気になる土地に「売地」の看板があれば、看板に記載されている不動産会社へ。看板が出ていない土地を見つけたら、不動産会社に相談し、所有者を調べてもらうといいでしょう。まだ売りに出ていなくとも所有者が「売れるなら売りたい」と思っている可能性があります。また、土地の売買に関する専門知識がないと交渉や手続きは非常に困難ですので、知人の紹介であっても購入の際には不動産業者を通して行うことをおすすめします。
メリット | デメリット |
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③不動産会社の店舗へ直接行く
店舗に行って、希望条件に合う土地を紹介してもらう方法です。
インターネット上に全ての情報が公開されているわけではありません。鮮度の高い情報や売れる可能性の高い店舗独自の情報などは、実際に店舗へ訪問した(より購買意欲の高いと思われる)客へ優先的に紹介されます。とはいえ、直接訪問するのは難しいという場合は、一度電話やメールで問い合わせてみましょう。
不動産会社の中には住宅建設の知識を持って商談をしてくれる担当者もいます。その場合、建てられる建物の条件などの情報が得られ購入にふさわしいか判断しやすくなります。担当者からのアドバイスが少なく不安に思われたら、他の不動産会社にも相談するなどして、信頼できる担当者を見つけることをおすすめします。
メリット | デメリット |
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④住宅建設会社に依頼する
建設会社に土地探しから対応をしてもらう方法です。
建設会社の中には、不動産業を兼業または不動産ネットワークを持つ会社もあります。すでに気になっている会社があれば確認してみるといいでしょう。家づくりの知識をもって探してもらえるので非常に安心かつ効率のいい方法です。
また、不動産ネットワークのない建設会社であっても自社の住宅販売営業のため、契約前に積極的に協力してくれるケースがあります。ただこの場合、建設会社で得られる情報は自分で探す情報とあまり変わりません。土地を探してもらうのではなく、土地の選定に専門家目線で相談に乗ってもらい、ここでの対応や提案を踏まえて建設会社を見極めるというのも一つです。
メリット | デメリット |
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家づくりの豆知識 ~建築条件付きの土地って何?~
土地にはその土地によって様々な条件がついています。その中で目にする「建築条件付き」というのは、下記の2つの条件がついている土地のことです。
- その土地に家を建てる場合、すでに依頼できる建設会社が決まっている
- その会社と一定期間内に請負契約を結ぶこと
決められた建設会社とは、土地の売主、または売主が指定した会社になります。一定期間内とは、その土地ごとに異なりますので注意が必要です。
3.信頼できる不動産会社を見極めるコツ
土地購入において、不動産営業マンとのやり取りは必須です。良い営業マンのいる不動産会社はやはり信頼性が高い。土地探しでのストレスを軽減するためにも「信頼できる担当者」を見つけることは非常に重要です。ここで、信頼できる担当者を見極めるためのコツをご紹介します。
信頼できる不動産営業マンとは?
- 経験年数が豊富(宅地建物取引などの有資格者)
- その土地のメリットだけでなくデメリットも説明してくれる
- 購入を急かさない
- 質問に対し的確で素早い返答
不動産営業は、知識量や経験値のあるベテラン型、粘り強く交渉してくれる熱血型などさまざまです。営業マンとの相性も重要ですが、大事なのは自分の要望をしっかり汲んでくれる「聞く力」と、不安や不信点を解消し、要望に対して的確な情報を伝えてくれる「提案力」を持っているかということ。さらに、その会社が宅地建物取引業に違反していないかも確認していきたいところです。例えば「土地の重要事項の説明を宅地建物取引士でないスタッフが行う」というのは違法行為です。最終的な契約を結ぶ前に、気になるところがあれば確認しましょう。
まとめ
土地探しの4つの方法と効率よく進めるためのコツをお伝えしましたが、効率を上げることが必ずしも正解ではありません。自分自身が納得できる進め方を見つけていきましょう。
土地探しをスムーズに進めるためには
- 予算や条件、優先順位など探す上での基準をできる限り具体的にすること
- 土地購入だけに囚われず、その後の家づくりを踏まえ信頼できるパートナー(不動産会社・建設会社)を見つけること
- すべてを人任せにはせず、必ず自分で見極め納得して進めること
土地探しはとても労力がかかります。後悔しないためにも、しっかりと指針を持ち、焦らず、自分のペースで進めていきましょう。信頼できるパートナーに出会い、あなたの理想の家づくりが実現できる日を願っております。さらに、土地を判断する際の注意点や土地購入に関わる用語をまとめたこちらの記事も参考にどうぞ。
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