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吹き抜けのメリット・デメリット。オススメの空調設備を紹介!

公開日 2021.05.19
更新日 2023.07.12
おしゃれな住宅

吹き抜けのある家は、リビングは開放感があり採光が多く取れるため、おしゃれな注文住宅などでよく見る設計の1つです。
吹き抜けの開放的なデザインに魅力を感じる一方で、「吹き抜けがあると冷暖房の効率が悪くなるんじゃないか?」「吹き抜けは寒いのでは?」といった疑問をお持ちの方も多いかもしれません。
今回は、吹き抜けにするメリット・デメリットと、空調設備を選ぶポイントについてご紹介いたします。

この記事のポイント
  • 吹き抜けのメリットデメリットを写真付きで解説
  • 吹き抜けと冷暖房の組み合わせはどんなものがいいのか説明

目次

吹き抜けとは?

吹き抜け住宅

画像引用元:不動産・住宅サイト SUUMO

吹き抜けとは、建物の1階から最上階の間に天井や床がなく、空間がつながっている間取りのこと。マンションのエントランスホールや、戸建ての玄関・階段・リビング上に設けられるのが一般的です。
吹き抜けは、空間的な広がりを演出でき通風や採光を高めることが可能ですが、冷暖房効率の低下が懸念されるため、事前に空調設備の検討が必要です。

吹き抜けのメリット5つ

吹き抜けについて分かったところで、具体的なメリットを見ていきましょう。


1.開放感のある部屋になる

吹き抜け住宅

画像引用元:不動産・住宅サイト SUUMO

吹き抜けの最大のメリットは開放感のある住まいに出来ることです。
1階と2階のスペースが連続するため、自ずと天井が高くなり視線の抜けがよく開放的に広く感じる効果が期待できます。
視覚的に広さを感じられるため、敷地が狭い都心部で家を建てる際にもおすすめです。

2.室内を明るく見せることが出来る

室内を明るく見せる

画像引用元:アイワホーム

吹き抜けの場合は2階の壁に採光窓を設置するのが一般的です。
2階の窓から入る光は1階や部屋の奥の方まで届くため、部屋の奥の方まで自然光を取り入れることができ、部屋全体を明るくできます。
「周囲に住宅が密集していて明るさが確保できない」といったケースでも、少ないスペースで自然光をふんだんに取り入れることが可能です。また、日中に部屋の照明をつける回数も少なくなり電気代の節約にもつながります。

3.風通りを良くする効果が期待できる

風通しを良く

参考:自然の風でエコで快適な暮らし

吹き抜けをつくることにより、窓を開ける季節は空気の通り道が縦に流れる「立体通風」が生まれます。暖かい空気は上に上るので、吹き抜けがあるとそこに上昇気流ができ、外の空気を引き込みながら上に向かって風が流れます。 立体的な空気の流れにより自然な心地よさを実感できるだけでなく、自然換気を促すことができます。 さらに、天井にシーリングファンを設置すればより空気を循環させやすくなり、より快適な空間になるでしょう。

4.家族とのコミュニケーションが取りやすい

コミュニケーションがいい

画像引用元:三河住宅総合館

吹き抜けは空間全体につながりを持たせることが出来るので、どこにいても家族の気配を感じることが出来るメリットがあります。
2階で勉強している子どもにご飯の用意ができたことを伝える時でも、その都度階段を上がる必要がなく、1階のキッチンやリビングから声をかけることができます。
このようにどの場所からでもコミュニケーションが取りやすいため、家族間の会話や接点が増えることが期待できます。

5.家がおしゃれになる

おしゃれに

画像引用元:フリーダムアーキテクツデザイン株式会社

吹き抜けにより開放感のある空間をつくると、家全体が広く見え「余白」が生まれるのでおしゃれな空間に仕上げることができます。
「余白」はポスターやパッケージなどに良く使われる手法の1つで、何もないスペースを意図的に作ることでスッキリとしたおしゃれなデザインに仕上げることができ、住宅についても同じことが言えます。
吹き抜けは、デザイン性の高いおしゃれな家づくりに最適です。

吹き抜けのデメリット5つ

ここまで吹き抜けのメリットについて見てきましたが、一方のデメリットについても詳しく見ていきましょう。

  1. 2階のスペースが削られる
  2. 掃除が大変
  3. 音やニオイが筒抜けになる
  4. 吹き抜けを北側に設置するとカビが発生しやすい
  5. 光熱費が高くなるケースがある

1.2階のスペースが削られる

吹き抜けを作ると、2階の床が少なくなってしまうため2階のスペースが狭くなってしまいます。2階の部屋数が少なくなり、押し入れなどの収納スペースも削る必要性がある場合もあります。
吹き抜けを作る場合は、事前に必要な部屋数や確保したい収納スペースの大きさなど加味しながら設計しましょう。

2.掃除が大変

吹き抜けの場合、2階などの高い位置にある窓は、高所用の掃除器具を用意するか足場を組んでの掃除が必要です。専門の業者に掃除を依頼するケースもあります。 また、吹き抜けの内側にある窓は結露が発生しやすくカビの掃除も考えなくてはなりません。
事前に掃除する場合のことも考え、高所用の掃除器具を用意するか、専門業者に依頼する場合にはランニングコストを計算しておきましょう。

3.音やニオイが筒抜けになる

吹き抜けにすることにより家族の気配を感じることができますが、逆に言えば、家族の声が筒抜けになります。仕事や学校などで家族間の就寝・起床時間や食事時間などの生活リズムが合わない場合には、事前に個室に防音対策を施すことも検討しておきましょう。
また、料理のニオイが2階にまで上がってくることもありますので常に換気扇を回しておくと良いでしょう。

4.吹き抜けを北側に設置するとカビが発生しやすい

吹き抜けを北側に作る場合は、日当たりがよくないため結露で湿気がたまりやすく、カビが生えやすくなります。
カビ対策には、家の気密性や断熱性をアップし温度や湿度の変化を少なくすることが重要です。また、万が一カビが生えても掃除できるよう高所用の掃除器具を用意しておくことをオススメします。

5.光熱費が高くなるケースがある

吹き抜けのある家は、明るいため照明器具などの電気代を節約できます。
一方で、エアコンなどを使用する場合は長時間稼働させなければ広い部屋を暖めたり、冷やしたりすることが難しくなります。

暖気が上に

画像引用元:ダイキンプロショップ

夏季の冷房の場合、1階はほとんど影響はありませんが、窓からの採光や屋根に日差しの照りつけがあるために2階は夜になっても熱がこもってしまいます。
また冬季の暖房の場合、暖かい空気は上へ移動する性質があるため1階の暖房効率が下がってしまいます。
光熱費を抑えて部屋中を快適な温度に保つには、エアコンや全館空調、床下エアコンなどの空調設備を事前に考えておくことが重要です。
吹き抜けの空調設備を選ぶポイントについて次項で詳しく見ていきましょう。

吹き抜けにオススメの空調設備3選

畳数が多いエアコンと床暖房の組み合わせ

エアコンは最も一般的な空調設備の1つです。エアコン1台を5〜10万とした場合5台設置すると25〜50万円となっており導入費用が安価なのが特徴です。
エアコンを選ぶ際は、吹き抜けのある部屋は空間が広い分、一般的なエアコンを使用する場合は冷暖房の効率が下がってしまいますので実際の畳数よりも2、3ランク上の対応面積があるエアコンを選ぶようにしましょう。(14畳の場合:16畳対応のエアコン、18畳の場合:20畳対応のエアコンなど。)
さらに、最初は床暖房とエアコンで部屋全体を暖め、部屋が暖まったら自動で床暖房のみの運転に切り替えるなど、床暖房とエアコンを組み合わせることによって暖房効率を高めることができます。

吹き抜けの場合、エアコンは常時稼働させることや床暖房を稼働させた場合を考慮し、光熱費の概算を出しておくと良いでしょう。

各社特徴もいろいろ、天井吹き出し式全館空調

24時間快適

全館空調とは、家中まるごと空気を調整する空調システムのことをいいます。
全館空調は、吹き抜けがあっても部屋全体を均一に暖めたり冷やしたりできるので、1年中快適に過ごすことができます。
また、全館空調と同時に設置する換気システムにより、24時間換気が行われますので先述した結露やカビが発生しにくいというメリットもあります。

最も多いタイプは天井吹き出し式の全館空調です。各社比較検討できるメリットはありますが、天井吹き出し式の全館空調は、導入費用が100〜300万円ほどとなっておりエアコンに比べコストがかかります。
また、エアコンに比べ光熱費が高くなるケースもありますので、運転起動時に最も電力を使うことを考慮し、使わないときはゆるやかに設定温度を上げ下げすることで電気代を抑えることが重要です。

全館空調のメリット・デメリットと、全館空調について知っておくべき4つのポイント

天井の高さや大空間に左右されない、床から家を冷暖するシステム

高い天井や大空間では暖房の熱が分散し暖房効率が悪くなりがちです。これを解消するような、床から冷暖できる設備に「ECO床暖」があります。床下に張り巡らせた配管に温風・冷風を流すことにより足元から人が暖かさや涼しさを感じる場所をメインに冷暖するので、体感温度がいつも快適です。

「ECO床暖」はタイプによって全館空調機能やイオンクラスター機能も搭載されており、1階と同じく2階にも配管を巡らせることによって家中を快適な温度に保つだけでなく、除菌・脱臭された新鮮な空気を循環させることも可能です。
「ECO床暖」とは?

このように、エアコンや床暖房など従来の空調設備のほかにも、天井吹き出し式全館空調や、ECO床暖のように各設備のメリットを併せ持った空調設備がありますので事前に検討しておきましょう。

まとめ

今回は吹き抜けのある家のメリット・デメリットをご紹介しました。
明るく開放的な吹き抜けのある家は、デザイン性に優れており取り入れる方が多い反面、2階のスペースが削られる、掃除が大変などのデメリットもあります。
吹き抜けの1番のネックでもある空調設備と光熱費については、今回ご紹介したエアコン、全館空調、ECO床暖を取り入れることで改善することができます。ご家庭のタイプに合うものを検討してみてください

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